ダーモスコープによるほくろの診断、治療に関して
一般には皮膚の黒い斑を「ほくろ」と言っていますが、良性の色素性母斑(一般の良性ホクロ)や日光色素斑(しみ)なのか、
それとも表皮の悪性の癌なのか、メラニン細胞の悪性化したメラノーマなのか、見ただけでは悩ましいものもたくさんあります。
皮膚に光を当て拡大させ検査するダーモスコープを使ってよりその特徴から悪性か良性かを見ていきます。
疑わしいものは皮膚生検を行い、顕微鏡下により正確な判断をしていきます。
悪性を疑う場合は、総合病院皮膚科へご紹介します。
明るい照明下で、無反射条件下で10~30倍程度に拡大して皮膚を観察し、ほくろやメラノーマ(悪性黒色腫)の診断を行うための方法です。 肉眼ではほくろと他のできものの区別が難しいこともあり、皮膚科では近年、ダーモスコープという小型の器具を使い、詳しく観察したり、撮影したりして判断します。
黒いできものはほくろだけではありません。ほくろのがんと呼ばれるメラノーマの他に、脂漏性角化症、基底細胞がん、血管腫などもほくろと間違われることがあります。
他にも、皮膚線維腫などの良性のできものや、有棘細胞がんなどの悪性のできものがほくろみたいに見えることもあります。
肉眼では判断の難しい病変でも診断の精度が2割ぐらい向上することが示されています。ダモスコピーでも100%確実な診断はできません。
最終診断は切除したあとの顕微鏡下での病理診断となります。
当院では、ダーモスコピーにて診察をして、悪性を疑うものは切除、または生検を行い病理学的検査を行い判定をします。その結果拡大切除を必要とされる方は、総合病院に紹介しております。
美容目的にたくさんのほくろを審美的に取りたい方への対応はしておりません。美容目的の方は保険適応はありません。
色素細胞が増える良性のできもの(良性腫瘍)です。厳密には胎生期に神経堤(neural crest)を原基として、メラノサイト(色素細胞)にもシュワン細胞にもなりきれない分化能力不十分な細胞が生じ、これを芽細胞として構成された皮膚奇形と言われています。
生まれつきのものや子供のときに生じるもの、大人になってから生じるものがあり、茶色や黒の小さなしみや降起として体のあちこちにできます。 日本人では足裏にできることが多いため、メラノーマを心配する人が増えています。しかし、ほくろがメラノーマに変わるわけではありません。
ほくろは、はじめのうちは平らですが、少しずつふくらんでくることがあります。顔では丸くドーム状に膨らむことが多く、からだではいぼのように膨らむことがあります。 やわらかいのが特徴です。膨らんだほくろの色が抜けて薄くなることもよくあります。多くは直径が6ミリ以下です。ただし、生まれつきのほくろや5歳以下で生じるほくろは大きくなることがありますし、とても大きなものもあります。 大人になってできたほくろが変化する場合や、6ミリを超えるときは早めに皮膚科を受診しましょう。
局所麻酔をしたのち、メスで皮膚を切開して真皮まで切除し、皮膚を縫合し閉鎖します。
1週間から10日程度で抜糸となります。抜糸後1ヶ月から3ヶ月のテーピングを行いきれいな治癒を期待します。線状の瘢痕は1ヶ月程度で赤みが強くなり3ヶ月以降で徐々に薄くなります。
局所麻酔をしたのち、レーザーでほくろを削り取ります。
ほくろの細胞は深部まで続いているので、ある程度へこみが出るように削ります。
削った後は縫合しないため、皮膚が閉鎖するまで乾かさないように保護をします。2週間程度で治癒となります。この方法は、血流の良い顔や頸部で適応となりますが、取り残しが出るため、再発もあります。
切除縫縮 | 炭酸ガスレーザー | |
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利点 |
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欠点 |
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