膠原病は本来、外敵(細菌、ウイルスなど)から自分を守る免疫システムに原因不明の異常が起こり、敵と味方の区別ができなくなり味方をも攻撃してしまう病気です。
関節が攻撃される関節リウマチ、皮膚、腎、脳など全身の臓器が障害される全身性エリテマトーデス、筋肉が侵される皮膚/多発性筋炎、皮膚が硬くなる強皮症、眼や口腔内が乾燥するシェーグレン症候群というように主に侵される部位から病名が付いています。
発熱、全身倦怠感、体重減少、リンパ節腫脹、冷たくなると手先が真白になるレイノー現象などが共通の症状で風邪に似た症状で始まるので早期診断が困難な病気です。
異常な免疫だけを治す特効薬はなく、正常も含めて免疫を抑える治療が主体で副作用もあります。膠原病リウマチ専門内科医に必ず診てもらうことが大切です。
病気について正しく理解しないと、検査ばかりで治療を受けても一向に良くならないという医師に対する不信感につながり、診断や治療の時期を逸することがあります。
関節リウマチ患者さんの約80%で陽性です。関節リウマチ以外の自己免疫疾患や慢性感染症でも陽性になります。健康な人でも5~7%は陽性になります。
関節リウマチの疾患活動性をよく反映するので、経過観察の重要な指標となります。炎症範囲の大きさに相関して高値となります。初発のCRPが高値ほど将来の関節破壊が進むため、積極的に治療します。
関節滑膜細胞などで産生される蛋白分解酵素で、関節破壊に深くかかわっています。早期関節リウマチにおいてMMP-3が6~12ヵ月後のX線変化と相関することや、最初の1年間にMMP-3を治療により抑制できた患者さんではその後の関節障害が抑制できたことから、関節予後を予測しうるマーカーとして注目されています。
診断、特に早期のリウマチの診断に有用であるだけでく、今後関節がどのくらい破壊変形するかという関節予後予測因子として有用で、最新のリウマチ反応として注目されています。
関炎症の程度を表します。白血球は現在の炎症(急性)を、血沈、血小板は慢性の炎症を反映します。しかし、いろいろな要因で変化するので全ての検査結果をみて判断する必要があります。
当院はリウマチ専門医が医学的根拠のある最新の治療を行っています。
膠原病リウマチの画期的治療である炎症性サイトカインを抑える生物学的製剤とJAK阻害剤は全て当院で実施しています。
日本、米国、欧州リウマチ学会ガイドラインに基づいて、それぞれの患者様の症状、社会的背景を考慮して選択しています。
現在9剤認可されていますが、それぞれ特徴があります。
現在5剤認可されていますが、どれがいいという結論は出ていません。
膠原病リウマチについて、患者さんより寄せられる質問をご紹介します。
治療は異常な免疫だけを治すことができれば良いのですが、現在はそのような薬はなく、正常も含めすべての免疫を抑える治療が主体です。従って副作用もあります。
治る病気ではなく、抑えていく病気で、一生つきあって行かなければなりません。
病気について正しく理解しないと、検査ばかりで治療を受けても一向に良くならないという医師に対する不信感につながり、診断や治療の時期を逸することがあります。
膠原病は全身が障害される病気で欧米ではリューマトロジストという内科医が診ています。
日本ではそういう専門内科医の導入が遅れ、皮膚が侵されたら皮膚科、肺なら呼吸器科、関節なら整形外科というように臓器別に各科が膠原病を診てきました。
本来ならば膠原病専門内科医が診るべきですが、その育成が遅れているのが現状です。
関節リウマチの関節破壊変形の原因となる物質(サイトカイン)を抑える治療で、日本ではレミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジア、ゼルヤンツ(認可順)があります。
関節リウマチが治る時代に入ったと言われるほど画期的な薬ですが、決して治癒されるような薬ではありません。
それぞれに特徴があり、インターネットやほかの患者さんからの情報で「あれがいいこれがいい」というものではありません。
関節リウマチに限らず膠原病全般に言えることですが、患者さんそれぞれで効く薬効かない薬があるので、経験・知識をもつ信頼関係のある主治医と相談して治療をしていかなければなりません。
抗核抗体は自己抗体と言われるものの一つです。抗体は非自己(細菌、ウイルス)に対し作られ自分を防御する物質ですが、自己抗体は自己(自分の体)に対し作られ自分を攻撃するものです。
細胞内成分に対する抗体です。体は細胞でできており抗核抗体は全身を攻撃し、多くの膠原病で陽性になります。
しかし抗核抗体の検査は非常にあいまいな検査で女性で30%弱、男性で10%弱陽性になります。
つまり女性1000人のうち300人くらいは陽性になりますが、膠原病患者さんは全部集めても1000人のうち5~6人程度で、抗核抗体陽性のほとんどは正常ということになります。
残念ながら旧来の治療を受けている患者さんの寿命は10~15年短いという統計が出ています。
しかし現在の最先端の治療を受ければ健常人と変わらないといわれています。
20~30年前まではそのように言われましたが実際は発病2年で50%骨破壊が進行します。
癌と同じように早期発見早期治療が必要です。