治療は異常な免疫だけを治すことができれば良いのですが、現在はそのような薬はなく、正常も含めすべての免疫を抑える治療が主体です。従って副作用もあります。
治る病気ではなく、抑えていく病気で、一生つきあって行かなければなりません。
病気について正しく理解しないと、検査ばかりで治療を受けても一向に良くならないという医師に対する不信感につながり、診断や治療の時期を逸することがあります。
膠原病は全身が障害される病気で欧米ではリューマトロジストという内科医が診ています。
日本ではそういう専門内科医の導入が遅れ、皮膚が侵されたら皮膚科、肺なら呼吸器科、関節なら整形外科というように臓器別に各科が膠原病を診てきました。
本来ならば膠原病専門内科医が診るべきですが、その育成が遅れているのが現状です。
関節リウマチの関節破壊変形の原因となる物質(サイトカイン)を抑える治療で、日本ではレミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、シンポニー、シムジア、ケプザラがあり、更に新しい治療でJAK阻害剤と呼ばれるビルヤンツ、オルミエント、スマイラフ、リンヴォック、ジセレカがあります。
関節リウマチが治る時代に入ったと言われるほど画期的な薬ですが、決して治癒されるような薬ではありません。
それぞれに特徴があり、インターネットやほかの患者さんからの情報で「あれがいいこれがいい」というものではありません。
関節リウマチに限らず膠原病全般に言えることですが、患者さんそれぞれで効く薬効かない薬があるので、経験・知識をもつ信頼関係のある主治医と相談して治療をしていかなければなりません。
抗核抗体は自己抗体と言われるものの一つです。抗体は非自己(細菌、ウイルス)に対し作られ自分を防御する物質ですが、自己抗体は自己(自分の体)に対し作られ自分を攻撃するものです。
細胞内成分に対する抗体です。体は細胞でできており抗核抗体は全身を攻撃し、多くの膠原病で陽性になります。
しかし抗核抗体の検査は非常にあいまいな検査で女性で30%弱、男性で10%弱陽性になります。
つまり女性1000人のうち300人くらいは陽性になりますが、膠原病患者さんは全部集めても1000人のうち5~6人程度で、抗核抗体陽性のほとんどは正常ということになります。
残念ながら旧来の治療を受けている患者さんの寿命は10~15年短いという統計が出ています。
しかし現在の最先端の治療を受ければ健常人と変わらないといわれています。
20~30年前まではそのように言われましたが実際は発病2年で50%骨破壊が進行します。
癌と同じように早期発見早期治療が必要です。